パトリシア様より

『雪の中で出会ったお友達』
 
「ふぅ・・・・・お兄ちゃん来ないなぁ・・・・・」
街灯跡野で一人の少女がつぶやいた。
彼女は冒険者としての少女です、第一こんなまっくら森に少女一人で歩くわけでもない・・・
少女は街灯に背をつけながらため息をつく
 
何分かしているうちに一匹の子猫が来た。
「にゃ〜・・・・」
「ん?迷子?・・・・・じゃななそうだね、どうしたの?」
少女に近づいた子猫は急に懐き始めた
「にゃ〜にゃ〜・・・・」
「こらこら・・・・そんなに懐かないでよ、抱いてあげるから・・・・」
そっと子猫を抱く少女、そして座り込み
「まったく・・・・・・お兄ちゃん来ないね〜、このまま待ってたら凍っちゃうのにね〜」
と子猫に言う少女
 
また何分かしているうちに雪が降り始めた。
「あれれ?降ってきちゃったね・・・・・どうしよう・・・・」
「にゃ〜・・・・・」
抱かれている子猫はただ鳴くだけだった。
「・・・・・・って猫に言ったってね・・・・・・」
「にゃ?」
「それにしても遅いなぁ・・・・・・お兄ちゃん・・・・・」
またため息をつく少女
 
うつらうつらとする少女
「・・・・・っは、今寝るところだったわ・・・・やばいやばい」
「ふにゃ?」
すぐさま眠気を振り払い、気を持ち直した。
「まったく・・・・・お兄ちゃんったら・・・・・本当に凍っちゃうよ!」
とぶつぶつと独り言をする少女
 
またうつらうつらとする少女、そのとき誰かを呼ぶ声がした。
「ん・・・・・・この声・・・・・・お兄ちゃん?」
眠気を振り払い目を凝らしてみると確かに一人の少年がいた。
その少年は息を切らし走ってきた。
「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・ごめん、魔物が急に多くなってさ・・・・」
「もう・・・・お兄ちゃん遅いよ!もう少し遅れていたら私氷付けだったよ!」
「ごめんってば・・・・・・」
すると少女は抱いていた猫を少年に見せて
「にゃ?」
「罰としてこの猫飼います!」
一瞬驚いた少年だがすぐさま気を取り直して
「え・・・・・まぁいいけど・・・・」
「本当?やったぁ〜、じゃあ戻ろう!」
「にゃ〜」
すぐさま少女は走っていった。
「あ・・・・おい待てよ・・・・また迷うぞ〜」
その後に少年は追いかけた。
 
雪の中の出会いという小さなお話・・・・
 
おわり

 

パトリシア様からX-MaSに小説を戴きました。
感謝。
寒いのに暖かい。
そんな素敵なSToRYですね。
登場する御兄妹は以前に戴いた小説に登場の御兄妹とのコトです。

その小説はコチラ。

パトリシア様のサイトです

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