パトリシア様より

私は石像になったはず

私は何も感じなくなったはず

私は全てが終わったと思ったはず

だけど3年かけてその永遠は終わる
 
『永遠の終わりと夏の終わり』
 
私はメイ、メデューサの亜種で下半身は普通の人の足なのです。
私は名も無い冒険者とともに石化した。
私達は永遠にこのままだと思った。
だけどその永遠は終わる。
 
名が目覚めたときはぼろのベットにいた。
覚めたとき目の前にいたのはあの名も無い冒険者だった。
「あの・・・・・私・・・・」
「目・・・・・覚めたんだね」
「・・・・・はい」
メイはおずおずと小声で、でもはっきりと言った。
「あの・・・・名前聞いていいですか」
「え・・・・・あぁ、あの時言ってなかったね、改めまして、僕はレイ・・・よろしく」
「えぇ・・・・よろしく・・・・」
その後レイはメイに
「僕達、石像になってから3年たったんだよ」
「え・・・・3年も?」
「うん・・・・・時が過ぎるのは早いものさ」
見つめ合う2人その時メイはとっさに目を逸らす
「どうしたの?」
「だめ・・・・・私の目を見たら・・・・・また石に・・・・・」
「おっと、そうだった、君のこれをあげるよ」
とレイがメイに手渡せられたのは眼鏡
「眼鏡・・・・・・?」
「この眼鏡、特殊な魔法がかけられてね、それをかけている限りは石化は発動しないよ」
「そう・・・・ありがとう・・・・・」
突然ドアが開き、1人の少女が出てきた。
「あ・・・紹介しなくちゃね、この子は僕の妹、石化してたから僕と同い年になっちゃってね」
「私の名前はエミといいます」
眼鏡をかけたメイは意外そうな表情をして
「私のこと怖くないの?」
「え・・・・えぇ、別に怖くないですよ、私、前に石化されたことありますから」
「へぇ・・・・」
一瞬の沈黙、レイは突然少しの沈黙の後に言い出した。
「あのさ・・・・僕達、引越そうと思うんだ」
「え?」
メイは驚くレイは続けて言った。
「僕たちのいる場所は分かんないけど・・・・・村に近いらしいんだ」
「それで引越しって・・・・・どこへ?」
メイは疑問に思っている所にエミが
「アカティムっていう場所なの、あそこは人種関係ない村だって言うし」
エミが言った後レイが
「だからさ、メデューサの君でも静かに暮らせるんじゃないかな・・・・なんて」
メイは少し考えた。
「・・・・・やっぱり・・・・だめ?」
エミは心配そうに言う、その後メイは決断したかのように」
「うん・・・・わかった・・・・それに、あなたたちもいるし」
メイの決断を聞くと2人は嬉しそうに
「よかったぁ〜、だめとか言われたらどうしようかと思った〜」
「それじゃあ行くか?」
喜ぶレイの言葉にメイは
「え?行くって・・・・」
「今から行くんだ・・・・もしかしてまだ行けないのか?」
メイはくすくすと笑い
「いや・・・・行けるよ」
「それじゃあ、早速行こうよ・・・・」
「あぁ・・・・立てるか?」
「うん、立てるよ」
ぼろぼろの小屋から出た3人
3人はアカティムに向け旅立つ
静かに幸せに暮らすため
 
それはある夏の最後だった・・・
 
おわり

 

パトリシア様から残暑見舞に小説を戴きました。
感謝。
『9999hiT記念絵』の時に戴いた小説の続編ですね。
悲恋の2人がHaPPY ENDを迎えて、
HaPPY ENDが好きな私はとても嬉しいです。

『9999hiT記念絵』の時に戴いた小説はコチラ。

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