《PiXiV-183》
『秘密結社DD製造部』
投稿日2010年08月21日 01:18
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【第二次ピクロボ大戦】参戦第31弾。
秘密結社DDの闘い方を観せてやるぞ!!
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惑星イデアの命運を賭けた闘いは戦端が開かれた瞬間から激戦の様相を呈していた。
撃墜数、被撃墜数は既に甚大な数に上り、また、戦闘不能となって戦闘宙域を漂う機体も多く存在した。
イデア軍宇宙艦隊に所属する、あるスクトゥムもその一機であった。
ビームの直撃でも喰らったのか、左腕が丸ごと吹き飛び、その余波で機体の左半分が黒く焼け焦げている。
『くそッ! 動けよ!!』
そのコクピットでパイロットがコンソールを叩いて悪態を吐く。
コンソールに表示された機体コンディションは軒並みレッドアラート。
停止したジェネレータは度重なる再起動命令にも反応しない。
『弾はまだ残ってる! このまま終われるものか!!』
モニタ越しに観えるスクトゥムの右腕はライフルを保持したまま。
だがしかし、ぴくりとも動こうとしない。
その時、大きな影が落ちた。
『!?』
怪訝に想い、観上げた先には観慣れない大型のロボに率いられた2隻の輸送艦が進行していた。
『こんな最前線に輸送艦だと?』
ソレは自殺行為と云っても良い。
先行する大型機がバリアを張っているが、完全には防ぎ切れず、輸送艦に次々とビームが直撃する。
だが、その被弾をものともせずに輸送艦がコンテナブロックの開放を始めた。
機動兵器でも出撃して来るのかと想いきや、存外に小さいモノが…。
コンデンサ、モータ、シリンダ、トランス、ギア、アクチュエータ、動力チューブ、ネジ…etcetc。
輸送艦から放出されたのは、おおよそ機械部品と云われる物体であった。
だが、その量が半端ではない。
輸送艦内にみっちりと入っていたらしきそのパーツ群は、まるで砂をぶちまけたかのように戦闘宙域に広がって行った。
そして、その中に何やら忙しなく動く回る無数の存在があった。
ついとその内の1つが接近して来る。
ソレは…【仮面を着けた全身タイツの男】であった。
『闘う意思はまだ在るか?』
スクトゥムの前で止まった仮面タイツが問う。
『当たり前だ!』
『宜しい。では再び闘う力を与えよう』
男が合図をすると手に手にパーツや工具を持った、同様の仮面タイツ達が集まって来た。
そして火線の飛び交う戦場のド真中でスクトゥムの修理が始まったのである。
軒並みレッドアラートだった機体コンディションが観る間にグリーンに塗り替えられて行く。
僅か数分で修理は完了し、仮面タイツ達は現れた時と同じように颯爽と去った。
次の修理へと向かって。
『恩に着るぜ…』
呟いて機体を再起動する。
そして吹き飛んだ筈の左腕までもグリーンコンディションが表示されているコトに気付き、モニタ越しに左腕を観た。
『んじゃコラぁ!?』
ソコにはワルザードの腕がくっついていたのであった…。
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