PiXiV-172

『PiXiV RoBoT WaR 2nd ANNiVeRSaRY』

投稿日2010年06月23日 00:41

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祝・ピクロボ2周年!!

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『第1次ピクロボ大戦』の外伝たる『あるは外伝』ではロストブラッドの3人はタイムスリップ組となりましたが、
『正史』では『ティスカリ家』に無事に戻って来たコトになっております。
コレは『正史』での後日譚となります。

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初夏を迎えようとしていたそんなこんなの昼下がり…。

『……』

ふと、ナーサが遠い眼をする。

『如何なさいましたか? ナーサお嬢様』

そんなナーサに気が付き、ルクシアが声をかけた。

『いえ、アレからもう2年も経ちましたかと想って…』
『アレでございますか。懐かしゅうございますな』

セバスチャンがフムフムと頷く。
【アレ】とは『第1次ピクロボ大戦』のコトであった。
零落したティスカリ家を再興するため、秘密結社『ロストブラッド』として秘密結社軍に参加した『第1次ピクロボ大戦』。
しかし結局は秘密結社軍は敗北を喫し、『ロストブラッド』は次の機会を待ちつつ息を潜める結果となった。
以来、2年の時が過ぎようとしているが世界は平和であり、【次の機会】は未だ訪れてはいなかった。

いや【次の機会】は不要となりつつあったのである。

ナーサがテーブルの上に鎮座していたヌイグルミを抱き上げる。
カモノハシのヌイグルミ…正確にはカモノハシ型怪ロボット【かもにょげらー】のヌイグルミである。
第1次ピクロボ大戦終結の数ヶ月後、ティスカリ家が出資している小さな玩具会社ティストーイ社が売り出した【かもにょぐるみ】。
コレがよもやの大ヒット。
続いて発売した、プラモデル『ピクロボシリーズ』や家庭用TVゲーム機用ソフト『ピクロボ大戦シリーズ』も
好調な売り上げで業績を伸ばしている。
その結果、ティスカリ家の経済状況も好転し、既に非合法活動で再興を目差す必要は無かった。

『ナーサ様のおかげでございますな』
『いえ、爺やとルクシアもですよ』

【かもにょぐるみ】のアイディアはナーサの発案と云うコトになっている。
だが、ソレは厳密には正確ではない。
発案者はナーサであってナーサではなかった。

当時、ナーサが観た夢。

その夢に現れ、【かもにょぐるみ】を造るコトを勧めたのはナーサ自身であった。
そのナーサは14年後の世界から来たと告げたが、何故かナーサとほとんど変わらない年恰好であったのが謎である。

そして不思議なコトにセバスチャンもルクシアも同様の夢を観たのであった。
そうでもなければ侵略側勢力の怪ロボットをヌイグルミ化するなどと云う無謀な販売計画を実行に移すコトは無かったであろう。

かくして14年後。
ティスカリ家は『かもにょぐるみ』の大ヒットによって得た資金を元に他業種にも事業を拡大、
『ティスカリ・コンツェルン』と呼ばれる巨大複合企業体に成長を遂げたのである…。

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BaCK