PiXiV-076

『執事の血を継ぐ者』

投稿日:2009年01月21日 02:18

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【ギャリソン・L・アウル】

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『きんぐ・かもにょげらー』の前に謎の鴨型ロボットが降り立つ。

『コチラは民間独立軍所属【かもばーど】です。貴殿の所属を申告されたし』

その問いに何と答えるべきか。
『秘密結社軍』は既に無い。
…となれば答えは1つしか無かった。

『コチラはロストブラッド所属【きんぐ・かもにょげらー】です』

凛とした態度で応えるナーサ。
『かもばーど』からの返答には少し間が空いた。

『…もしや、ナーサ様でいらっしゃいますか…?』

その声は少し震えているようであった。

『ええ』
『ルクシア殿とセバスチャン殿も御一緒でしょうか?』
『2人ともココに居ますよ?』

僅かに間を置いて『かもばーど』のコクピットハッチが開き、
中からパイロットが姿を現す。
まだ10代半ばの少年であった。
少年が深々と頭を下げる。

『御帰還される時をお待ちしておりました!!僕はロストブラッド構成員No.40、ギャ…』
『む。ギャリソンではないか』

少し興奮気味の少年の口上を断ち切ったのはセバスチャンであった。

『爺や? あの少年を知っているのですか』
『は。ナーサ様とはお会いしたコトがございませんでしたな。アレは私の孫【ギャリソン・L・アウル】でございます』
『まぁ、そうですか。初めまして、ギャリソン君』
『は、はい。お初にお眼にかかります』

なんか妙な雰囲気を感じながらギャリソンが更に頭を下げる。

『あの、ギャリソン君は何歳です?』

唐突にルクシアが訊いた。

『14歳ですが…?』
『…何か…おかしくないですか?』

ルクシアが視線をセバスチャンに向ける。
妙な感じを受けたのはルクシアも、であった。

『そ、そうですよ。どうして僕のコトを知っているのです!?』

『きんぐ・かもにょげらー』が出撃したまま消息を絶ったのは14年も前のコト。
その時ギャリソンは生まれて間もない赤子であった。
今のギャリソンをセバスチャンが知る筈は無い。
だが、セバスチャンの答えは単純明快であった。

『幼い時に一度会ったきりとは云え、孫の顔を忘れる筈はありませんぞ』
『あの、その時、僕は…』
『うむ。生後2日であったな』

ギャリソンの脳裏に、幼少の頃から家族親類縁者一同に聞かされた言葉が甦る。

【お前のお爺ちゃんはスゴかったんだ…】

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BaCK