《PiXiV-075》
『天駆ける剣』
投稿日:2009年01月19日 01:49
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【空戦対応鴨型ロボット-かもばーど】
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14年の刻を越えてしまった『きんぐ・かもにょげらー』。
世界は14年前とは大きく様変わりしてしまったようだ。
『時代を跳ぶにしても、もう少し平和な時代なら良かったですのに…』
『近付いただけで攻撃されるコトもございましたな』
14年前、きんぐ・かもにょげらーが刻を越えてしまった後に起きた『大事件』によって、
地球は大損害を受けるも結果として戦争は終結していた。
その後は不安定ながらも何とか平和を保っていた世界。
ソレが、新たなる侵略の手により脅かされ始めたのはつい最近のコトだと云う。
間が悪いと云うか、ヨリにヨってワザワザそんな時代に跳ばなくても良さそうなモノだ。
所属していた『秘密結社軍』は既に無く、以上の情報を集めるだけでも苦労するほど。
ましてや『元の時代に還るための手掛かり』は一向に見付からなかった。
『ですが【我々だけ】ではないのでしょう?』
入手した僅かな情報によれば、14年の刻を越えたのは『きんぐ・かもにょげらー』だけではないらしい。
戦争終結に前後してかなりの人員や機体が消え、ソレがココ最近に次々と出現しているらしい。
『何故かしら。意図的なモノを感じますわね…』
戦乱の時代から、狙い澄ましたように新たな戦乱の時代へ。
単なる偶然で片付けてはイケナイような気がするナーサであった。
手掛かりを求めて、一人行く『きんぐ・かもにょげらー』。
その時、レーダーが高空を飛ぶ物体を捉えた。
ルクシアがディスプレイから情報を読み取る。
『高度1600。機数1。飛行速度マッハ2.5で接近中。…高度を下げ始めました!!』
その機体も『きんぐ・かもにょげらー』に気が付いたようである。
一気に高度50mほどに降下し、そのまま接近してくる。
『ほほぅ。速度はそのままでございますか』
セバスチャンが感嘆の声を上げる。
高度50mをマッハ2.5で飛行できるパイロットの技量は大したモノだ。
接近してくる機体。
だが、攻撃して来るかと想われたその機体はそのまま『きんぐ・かもにょげらー』とすれ違ったのみであった。
但し、マッハ2.5のソニックブームを叩き付けて。
『どういうコトでしょう?』
『ふむ。デモンストレーションのようなモノでございましょう』
『攻撃するつもりならアレほど高度を下げる必要はありませんね』
すれ違った機体は速度を落としつつ反転し、コチラに戻って来る。
そして振り返った『きんぐ・かもにょげらー』の前に細い2本の脚で着陸した。
『鴨型ロボットですわ』
『鴨型ロボットですね』
『鴨型ロボットですな』
…意見が一致したトコロで、当の機体から声が発せられた。
『コチラは民間独立軍所属【かもばーど】です。貴殿の所属を申告されたし』
この出会いから、一行は『民間独立軍』に身を寄せるコトとなったのである…。
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