PiXiV-072

『帰って来た者達』

投稿日:2009年01月13日 01:37

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【ロストブラッド】

14年前、第1次ピクロボ大戦ラストサマー戦終結間際に出撃した『きんぐ・かもにょげらー』。
だが、この時点で既に大戦の勝敗は決していたと云って良い。

『この状況を覆すコトができると考えてますか?』
珍しくルクシアが不安げに問う。
『難しいでしょうな』
セバスチャンがあっさりと答える。
たかが1機でどうにかなるような規模の戦乱ではない。
『…何もしないよりは良いでしょう』
ナーサが応える。
ココで多少なりとも防衛側の戦力を削っておけば、
次の『機会』が来るのがその分早まる。
闇に潜み、『機会を窺う』のは秘密結社の十八番であった。

ティスカリ家再興の夢を担い、『きんぐ・かもにょげらー』は戦場へと向かう。
だが、機内に突然警報音が鳴り響いた。
『? なんですか?』
『会敵するにはまだ早いようだが?』
『判りません! センサーが異常な値を検出しています!』
次の瞬間、世界は暗転した…。

体感した時間は僅か数秒だった…。

ナニゴトも無かったかの如く、『きんぐ・かもにょげらー』は航行していた。
だが、一行は異常なまでの違和感を感じていたのだ。

セバスチャンが機体のモニター越しに天を仰ぐ。
ソコに輝く太陽はいつもと変わらないように観えた。

『現在位置と現在時刻の確認を』
『は、はい!』
『何が…あったのでしょう?』

『きんぐ・かもにょげらー』の超高性能センサーを以ってすれば
昼間であっても青い空を貫いて星の位置を観測するコトができる。
そして星の位置が判れば現在位置・現在時刻は正確に割り出すコトが可能だ。
ややあってルクシアの前のパネルに計算結果が映し出された。
ルクシアが息を呑む。
計算結果を覗き観たセバスチャンが溜息をついた。

『どうやら時空の迷子になってしまったようでございます』
『まぁ大変。午後のお茶会には間に合うかしら』
『既に14年ほど遅刻のようです…』

計算結果は然るべき時間から14年後の時刻を示していた…。

この後、一行は元の時代に還るための手掛かりを探して彷徨うのだが、
手掛かりは一向に見付からず、とある成り行きから
『民間独立軍』に身を寄せるコトとなる…。

【オマケ】
キャラクタ全身設定

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BaCK