PiXiV-065

『汎用人型多目的重機-ヴァルザード』

投稿日:2008年12月25日 21:47

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続・ピクロボ企画【あるは外伝】が遂に始まりました!!
温存しまくっていた『新型ヴァルト』投入で参戦!!

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- ヴァルトの血を継ぐモノ -

B&B社製15m級人型重機。

外観は往年の地球連合軍量産機『ヴァルト』に酷似している。
コレは製造元の『B&B社』が第1次ピクロボ大戦終結直後に
『ヴァルトの民間向けレストア販売』を主業務として起業したコトに由来する。

B&B社は当初、退役・廃棄されたヴァルトの民間向けレストア販売を唯一の事業としていた。
ヴァルトの性能は旧式のレストア品でも作業用としては完全にオーバースペックであったが、
第1次ピクロボ大戦後の不安期において、自衛戦闘目的に転用可能な作業用ロボの要望は高く、
事業は好調に進展していた。

だが、ソレには自ずと限界があった。
パーツの枯渇である。
回収したヴァルトのパーツには当然ながら最初から数量の差が在った。
無論、中古部品市場に流れていたパーツも掻き集めたがその数量の差を埋め切れるモノではなく、
最終的にはごく一部のパーツが無いために機体を完成させるコトができない事態に陥ったのである。
B&B社は枯渇したパーツのレプリカ品の自社生産を開始し、事業を更に推し進めた。

事業の成功によりB&B社は急成長を遂げ、その陰でオリジナルパーツは次々と枯渇し
レプリカ部品に置き換えられていったのである。
最後に組まれたレストアヴァルトに使用されたオリジナルパーツは、僅かボルト3本だったと云う。
コレ以降、B&B社の主業務はレストアヴァルト販売から、レプリカヴァルト販売に切り替わったのである。
ま、表向きはソレまで通り『ヴァルト販売』であったが。

暫くはその状態での経営が続いていたが、ココまでの経緯からロボット製造のノウハウを得たB&B社では
徐々に自社設計のロボットを開発したいと云う機運が高まっていった。

『新型ヴァルト計画』の発足である。

しかしながらB&B社の蓄えたノウハウは『ヴァルト』にのみ特化したモノである。
『ヴァルトの設計思想を今の技術で再構築する』
初の自社開発ロボを設計するにあたり、コレが計画の基本方針となったのは自然なコトであった。
ピクロボ大戦を経たコトによる技術革新の恩恵を受け、
新型ヴァルトはヴァルトが本来持っていた、
誰にでも扱える素直な操縦特性、故障率の低さはそのままに、強力な機体となったのである。

なお、開発には非公式に地球連合軍の協力もあったとのウワサもある。
ソレが真実か否かは戦後の混乱期の闇の中ではあるが、
少なくともB&B社がヴァルト開発に携わった技術者や整備関係者に連絡を取り、助力を得たのは確かである。
特に、B&B社の創業者であるジェシカ・ベィク、ジェニファー・ベーク両名もメンバーである
非公式整備士同業者連盟『整備娘々』からは多大な協力が得られた。
そのため、万一の故障・破損時の整備性が大きく向上しており、
ヴァルザードの分解・再組立にはもう1機ヴァルザードが在れば事足りる程である。

正にヴァルトの直系と云える機体であるが、
地球連合軍の後身であるサンヘドリン軍の制式量産機としては採用されていない。
民間企業であるB&B社の、しかも自社開発第1号と云うコトで信頼性が疑問視されたためである。
その結果、主に民間向けに販売され、軍事用としては少数の配備に留まっている。

販売開始から既に10年が経過しており、いささかの旧式化は否めないトコロであるが、
未だに製造販売が続いているロングセラー機である。
そのため世界中に普及しており、特注によるカスタム機や所有者による改造機などのバリエーションも多い。
土木・建築業務から自衛戦闘用、はたまたスーパーロボットのサポート役など幅広い用途に使用されている機体である。

なお、『ヴァルザード』の名は、B&B社内で『レストアされたヴァルト』を『ヴァルト』、
『レプリカのヴァルト』を『ヴァルツー(ヴァルト+ツー)』と非公式に呼び分けていたコトに由来しており、
『3番目のヴァルト』の意味を含んだネーミングである。

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BaCK