PiXiV-011

『かもにょげらー』

投稿日:2008年07月03日 02:20

海岸線での熾烈な戦闘を突破した地球連合軍のヴァルト5機による一小隊は島の中心部を目差して悪路を前進していた。
『こんな作戦、最新鋭の機体で飛んで行ければすぐにカタが付くでしょうに』
『そう云うな。最新鋭の機体が性能を発揮できないような特殊な状況下だからこそ、我々のような旧式のヴァルト乗りにも活躍のチャンスがあるのさ』
愚痴る部下を小隊長がなだめる。
その時!密林を割り、ヴァルトの数倍はあろうかと云う巨大な怪ロボットが姿を現した。
秘密結社軍のエンブレムが不気味に光る。
『バカな!こんなバケモノがこの足場で!!反則じゃないのか!?』
マシンガンを撃ち放ちながら隊員の1人が叫ぶ。
『敵ロボットデータ解析!全高19.99m。全幅19.99m。全長19.99m!規定内です!!』
『なんだと〜ぉ!!?』
その巨体にまとった重装甲で銃弾を弾きながら怪ロボットが迫る。
数瞬で5機のヴァルトを行動不能に叩き込み、怪ロボット『かもにょげらー』は島の中心部に向かって動き始めた…。

秘密結社『ロストブラッド』の水陸両用カモノハシ型怪ロボット。
『αポイント争奪戦』に出現した中では最大クラスのロボットである。
乗員は3名。
『お嬢様』と『執事』と『メイド』。
実は『ロストブラッド』とは零落した某貴族がお家再興を目差して暗躍していると云う、とてもささやかな悪の組織なのである!!
操縦系は、パイロットの体の動きに合わせて機体が動く『モビルトレースシステム』を採用。
主を護るためにあらゆる格闘術を身に着けた執事が担当し、この図体でラリアットから回し蹴り、卍固めに踵落としまでキメると云う。
メイドは各部機体管制と尻尾、嘴の動きを担当する。
お嬢様は特に役割は無いのだが『2人だけを闘わせて、自分だけ安全なところに居る訳にはいきません』との理由で搭乗している。
その健気さに執事もメイドも忠誠心FuLL-MaXである!!

BaCK