パトリシア様より

冬・・・・といえばあなたは何を思い浮かびますか?
色々と思い浮かびますが・・・・
冬眠・・・・と言う人は数少ないでしょう・・・・
 
『冬にあった珍しい出来事』
 
「お兄ちゃん・・・・なかなか起きないよぉ・・・・」
エミの第一声が始まりだった。
「何?どれどれ・・・?」
エミの兄、レイが近寄る。
そこにはベットの上に眠っている、少女メイだった。
「ん〜・・・・目隠ししても普通に起きたんだけどなぁ・・・」
彼女はメデューサの亜種なので眠るときは間違って起こした人を石化させないよう目隠しをしている。
「お〜い、メイ起きろ〜」
レイが揺さぶるが、起きる気配は全く無い。
「それより・・・・メイお姉ちゃん、お布団被ってないよ?」
「そういえば・・・・まったく何やってるんだが・・・」
とレイは布団を被せる。
「お兄ちゃん、先に朝食の準備、してくるからね〜」
「あぁ、分かった・・・僕はもう少しここにいるから」
言葉を交わしたあと、エミは部屋から出た。
(それにしても・・・・なんで起きないんだ?)
と悩んでいた数分後、メイが何事もなく起きた。
ちゃんと目隠しを外し、めがねをかける。
「あ・・・・レイさんおはようございます」
「メイ・・・一体どうしたんだ?」
「え?どうしたんだって・・・?」
レイは今までの経緯を手早く話した。
が、メイはきょとんとし
「え?そうだったんですか?・・・・私にも朝の事はよく覚えが無いんです・・・」
二人とも悩んでいる途中、エミが再度入ってきた。
「お兄ちゃ〜ん・・・・ってメイさん起きてたんですね」
「はい・・・なにやらちょっとご迷惑をおかけしてたようで・・・」
「いいんだよ〜・・・・あ、そういえばメイお姉ちゃんが起きるのが遅い理由・・・・」
エミがそういうと二人は興味深そうに見つめる。
「冬眠・・・・じゃないかなって?」
「冬眠・・・・って動物が穴掘って春まで寝るっていう習慣の?」
信じられないと思いながらも追求するレイ
「うん・・・・一応メイさんはメデューサだし、メデューサって髪の毛が蛇なんでしょ?」
「それはそうだが・・・・だからといってメイがそんな習慣があるわけ・・・・」
「ぐー・・・・」
二人が喋っている間にいつの間にかメイが眠っていた。
「って寝てるし!」
「あはは・・・・やっぱり冬眠・・・かな?」
「しょうがない・・・・今度からは暖かい服とか着させないとな・・・」
そんなこんなで珍しい出来事はこれにて終わった。
そのおかげで二人はメイの新たな一面を見たとか見ていないとか・・・
 
おわり

 

パトリシア様からX-MaSに小説を戴きました。
ありがとうございます〜。
のんびりまったりした朝の風景が素敵なSToRY。
とても心地好い感じがしますね。

パトリシア様のサイトです

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